子どもが高校生になると、子連れ再婚がうまくいきやすいと言われています。
ただし、経済的な自立や一人暮らしが難しい高校生は、その年齢ならではの不安な気持ちもあります。
今回は、子連れ再婚で高校生の子どもが抱く気持ちと、その気持ちに寄り添った再婚の進め方についてお伝えします。
子連れ再婚は子どもが高校生だとうまくいく?
高校生になると思春期も後半になり、身体的に大人になると同時に、精神的にも親離れしていく時期。
大人の話ができるようになってくるため、子連れ再婚がうまくいきやすくなるそうです。
とはいえ、親の再婚は子どもに大きな影響を及ぼすもの。
大学受験など、子どもの人生にとって大事なタイミングでの再婚は避けるようにしましょう。
子連れ再婚で高校生の子どもが抱く気持ち
高校生になると、再婚に理解を示してくれる子どもは多いでしょう。
しかし、口では再婚に賛成していても、心では今後の生活に不安を感じています。
再婚を切り出された子どもの気持ちは、次の5つが多いようです。
- 苗字を変えたくない
- 再婚相手との同居が不安
- 再婚相手は母親のパートナーであって新しい父親ではない
- 親の男女関係を想像して嫌悪感を抱く
- 実の父親との今後の関係が心配
順に見ていきますね。
高校生の子連れ再婚「子どもの苗字を変えたくない」
母親が再婚し、再婚相手の苗字になると、子どもも連動して再婚相手の苗字になるわけではありません。
子どもも再婚相手と同じ苗字にするには、2つの方法があります。
- 再婚相手と「養子縁組」をする
- 家庭裁判所で「子の氏の変更許可」を得る(氏とは苗字・姓のことです)
両方とも、子どもが「15歳以上」の場合は「本人の同意」が必要であり、届出も本人が行います。
しかし、実際のところ再婚時に苗字を変えたくない子どもが多いようです。
子どもの苗字を変更したくない場合は、3つの選択肢があります。
- 再婚時は何も手続きをしない
- 学校では「通称」として旧姓を使う
- 再婚相手の男性に母親の戸籍に入ってもらう
詳しく見ていきましょう。
再婚時は何も手続きをしない
何も手続きをしない場合、子どもは再婚前の苗字のままになります。
離婚時に母親の旧姓に変更していたら、子どもは母親の旧姓のままということですね。
この状態で母親が再婚すると、親子で苗字が違う状態になります。
この場合、高校卒業まで苗字の変更をせず、進学のタイミングで変更する人が多いようです。
学校では「通称」として旧姓を使う
戸籍上は再婚相手の苗字になっていても、学校に相談すれば学校でのみ「通称」という形で旧姓を名乗ることができます。
苗字を変えることなく学校生活が送れるので、子どものストレスは少ないでしょう。
しかし、周りに戸籍上の苗字を知られないよう、十分な配慮が必要です。
また、卒業式でも通称で呼んでもらえますが、卒業証書は戸籍上の苗字になりますので注意してください。
再婚相手の男性に母親の戸籍に入ってもらう
再婚相手の男性に母親の戸籍に入ってもらうことができれば、子どもの苗字は変わりません。
とはいえ、現在の日本では、男性側の苗字を変えることが少ないので、再婚相手の男性はもちろん、男性側の家族の十分な理解が必要です。
高校生の子連れ再婚「再婚相手との同居が不安」
まだ一人暮らしが難しい高校生は、再婚相手と一緒に住むことを想像しますよね。
今まで共同生活をしたことのない人と一緒に住むことは、子どもにとって大きなストレスです。
同居を開始する時期は、再婚相手を自宅に呼ぶ機会を少しずつ増やすなど、子どもの様子を見てから慎重に判断しましょう。
また、子どもが同居に賛成してくれたとしても
- 下着で家の中をウロウロしない
- 許可なく子どもの部屋に入らない
- 洗濯物を一緒に洗わない
- お風呂に入る順番に気をつける
などの配慮は必要です。
子どものストレスが少なくなるよう、引っ越す場合は新しい家の間取りなども、できるだけ子どもの意見を尊重しましょう。
高校生の子連れ再婚「再婚相手は母親のパートナーであって新しい父親ではない」
高校生になると、新しい父親として再婚相手を見ることは少ないでしょう。
親に対して客観的な目を持つようになっており、母親にパートナーが必要なのだと理解しています。
そこで大事なのが次の3つです。
- 再婚相手をニックネームで呼んでもらう
- 実親が子どもを叱る
- 再婚相手は親になろうとしなくてOK
意外と見落としがちなポイントかもしれません。
再婚相手をニックネームで呼んでもらう
再婚相手を「お父さん」と無理に呼ばせると、逆に実の父親のことが思い出されてしまい、子どものストレスになります。
再婚相手のことは、ニックネームで呼んでもらいましょう。
実親が子どもを叱る
再婚相手から叱られるのは、子どもにとってストレスです。
子どもを叱るときは実の親からにして、再婚相手はフォロー役になりましょう。
再婚相手は親になろうとしなくてOK
再婚相手が子どもと仲良くしようとしたり、親になろうと頑張ったりするのは、子どもにとって負担になります。
距離感を大事にして、「信頼できる大人」だと思ってもらえるようにしましょう。
高校生の子連れ再婚「親の男女関係を想像して嫌悪感を抱く」
高校生は異性に対する関心が強く、性にも敏感な年頃ですよね。
母親に女性の部分を感じたり、男女関係を連想させるようなことがあったりすると、嫌悪感を感じてしまいます。
一度感じてしまった嫌悪感を払拭するのは難しいので、男女である前に親であることを意識し、十分注意しましょう。
子どもが女の子の場合は特に、再婚相手の男性と子どもが二人きりにならないようにするなどの配慮が必要です。
高校生の子連れ再婚「実の父親との今後の関係が心配」
高校生になると、大人の事情も考える年頃です。
しかし、子どもが気を遣うことによって実の父親との関係が気まずくなるのは、子どもにとってマイナスです。
子どもには、次の2つを伝えましょう。
- 子どもの父親は前の夫であること
- 今後も自由に父親と会えること
大人の話ができる年齢だからこそ、きちんと言葉で伝える必要があります。
まとめ
今回は、子連れ再婚で高校生の子どもが抱く気持ちと、その気持ちに寄り添った再婚の進め方についてお伝えしました。
高校生は大人の部分もありますが、経済的にも精神的にも親の助けが必要な年頃です。
子どもの思いや考えを尊重して、幸せな再婚をしてくださいね!